木の和(なごみ)設計 一級建築士事務所

木とパッシブデザインで創る和みの空間

防蟻処理~ボロンdeガード~その2

防蟻処理~ボロンdeガード~その2

戸建て改修工事すすんでいます!
木の和設計では、木造改修の際にも、可能な限りの防蟻処理のご提案をしています。

今回はエリア改修で、エリア内はスケルトンにすることから、エリア内1階部分の構造木部、加えて新規木部(根太や大引き、構造用合板、間柱等)にすべてボロンdeガード(ホウ酸)処理を行っています。いくつかの条件をクリアし、シロアリ5年保証を付ける事ができました。

ここでなぜボロンdeガードを採用しているか、

日本で暮らす私達にとって、心地よい空間~住まい~は、木の住まいと考えています。

木は、豊かな空間づくりに力を貸してくれますが、使用する際には、木の特性(弱点も長所も)を知り、活かすことが大切と考えます。

木材の弱点は、腐朽及び蟻害が発生すると、木材の持っている力が著しく劣化すること、

腐朽や蟻害発生に大きくかかわっているのが、『水』 雨漏り、壁内結露、雨水排水など不具合からの土地の湿気、基礎内外の湿気などがあると

発生の可能性が高まります。建築時と点検メンテナンスで丁寧に確認しながら、濡れや湿気がこもらない様にすることがとても大切です。

同時に、より積極的に腐朽と蟻害を防ぐことにに有効なのが、ホウ酸処理と考えています。

ホウ酸は、自然素材(無機鉱物)、哺乳動物には低毒性、菌や昆虫には厳しく作用するという特性があります。

また耐性獲得されない、、という特性があります。例えばゴキブリなどは、様々な薬の耐性を獲得し今に至りますが、

そのゴキブリにも効く、、ゴキブリホウ酸団子をご存知の方も多いのではないでしょうか?

■ホウ酸の3つの性能 ①防腐性能(木材腐朽菌が死滅する)②防蟻性能(ホウ酸を摂取した白蟻は死滅)③防カビ(カビ菌が死滅)

■ホウ酸の3つの特徴 ①安全性(空気を汚さない)②持続性(揮発せず、分解されない) *ほかの薬剤は揮発性のものがほとんど

③非腐食性(鉄が腐食しづらい) 金物工法でも問題なく使用できる

上記の事から、防蟻処理として ホウ酸処理(ボロンdeガード/日本ボレイト株式会社)

■ホウ酸の一つの弱点 雨に弱い(水がかかると流れる)

建物にとっても、ホウ酸処理にとっても、水に濡れない事がとても大切という事がわかります。

詳しくは、ボロンdeガード(日本ボレイト株式会社)のユーチューブ動画のリンクを下記に貼っておきます!とても分かりやすく

目からうろこです。

「ホウ素系認定薬剤の主成分 『ホウ酸』のわかりやすい授業」

気密性を高めている現在の住まいで、防蟻処理として薬剤(ネオニコチノイド系)を使用した場合の人体への影響

も考えさせられます。写真は、構造用合板にホウ酸を1枚1枚丁寧に散布頂いている様子です。

前回も書きましたが、ホウ酸処理施工頂いている施行者さん、施工お願いしている工務店さん、大工さん に細やかに配慮いただいて

実現できる手間のかかる作業となります。仕上げると見えない部分だから適当に、、という姿勢では到底できない工事だと思います。

施工技術と施工姿勢が大切だと思います。とても丁寧に対応頂いており、感謝です。