木の和(なごみ)設計 一級建築士事務所

木とパッシブデザインで創る和みの空間

お施主さんと杉岡製材所さんへ

お施主さんと杉岡製材所さんへ

10月2日(月) 現在現場進行中古民家改修のお施主さんと一緒に、改修でも使わせていただいている杉材を提供いただいている

杉岡製材所さんへ行ってきました。

築100年を超えるお母さまのご実家を受け継がれ、これから使われていくにあたり、一部の改修計画を進めています。

その古民家は、筑後川流域の川沿いにあり、お酒や城島瓦で有名な場所、芋問屋を営まれていたお家です。

お施主さんは、地域の歴史や建物の背景にもお詳しく、また学びを深めていきたいと考えられていて、(お施主さんの専門は、地域に根差した学びの場づくり)、地域の文化や産業とかかわりながら家づくりを進めたいというお考えで、筑後川の上流 朝倉で製材業を営まれている 杉岡製材所さんの材を使うことに、すぐに賛同いただきました。

そして地域の木材提供を担われている杉岡製材所代表の杉岡世邦さんに是非お話を伺いたいと、今回の訪問が実現しました。

杉岡製材所さんへの訪問は、私自身は数回目ですが、お施主さんと杉岡さんとのお話に、今回も新たな学びをいただきました。

例えば 日本の神話の中

「スサノオ、ひげを抜いて放つと、そのひげが杉の木になった。胸毛を抜いて放つと檜に、尻毛は槙に、眉毛は樟になった。」

「杉と樟は、を造るのによい。檜は宮を造るのに、槙は現世の国民の棺を造るのによい。たくさんの木の種を播こう」

という文章から読み解いた、日本での杉の役割のお話をいただきました。

また『杉』という文字のなりたちや意味から、はたまた 杉の長寿命について、英彦山の行者杉について(宗教的背景も含めて)、

杉の香りや効能、さらには杉花粉、そして杉の挿し木文化まで、話はつきません。

杉への愛あるお話とその行動力に、感激し、杉岡世邦さんは、杉の守り人だと、改めて思いました。

日本の山が大変な状況の中、わたしも杉の魅力について、杉岡さんのお言葉を借りて、お施主さんへまたお施主さん以外の方々へも

もっともっと伝えていきたいと思いました。(自称 杉の魅力語り部でしたが、修行を積みたいとおもいます!)

お施主さんも杉岡さんのお話に感激し、また杉の事たくさん知れました、暮らしの中に息づく杉を大切に使っていきたいとおもいますと

とても喜ばれていました。

杉岡さんが九州の杉を全国へむけて、発信されていること 私自身のエピソードです。2017年に関西で開催されているMOKスクール(木造建築を学ぶ)に受講生として参加した際に、杉岡さんが講師として登壇され、木材のこと、杉のこと、そして九州の杉についても語られました。
関係者や参加者は関西の方が中心で、吉野など関西の林業、材についての認識が深く、九州の杉については、ほとんど知られていない様に感じている中、(そうはいっても●令和2年の九州の林業産出額は845億円で、全国の2割を占めています。)九州の杉の魅力を杉岡さんが語られた際は、とても嬉しかったことを覚えています。

杉の守り人 杉岡さんの活動に今後もいろいろお話伺っていきたいと思いました。また杉の魅力をたくさんの方に知っていただき、杉を

お施主さん、杉岡さん、貴重な機会をいただきありがとうございました。